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Vol.22 PanasonicスイッチャーAV-HSW10とRESOLUMEをNDI接続してテロップ出し

こんにちは、GIFTVOXワタライです。

 

本日はNDIを使用してHSW10とRESOLUMEを接続して透過テロップを出す方法について紹介いたします。

 

 

Panasonic AV-HSW10はコンパクトながら色々な機能が搭載されており、NDI・SRTの入出力にも対応しています。

↓弊社ブログでのご紹介はこちら↓

giftvox.hateblo.jp

 

弊社はライブ配信・ライブコマースのオペレーションを行うことが多いため、テロップやインサート素材を瞬時に視聴画面に表示させなければならないことが多々あります。

テロップを出す方法は色々とありますが、弊社ではRESOLUMEというVJソフトをよく使用しております。

素材をレイヤーに分けることができ、透過度・サイズも自在に変更できるため、生配信のように素材を出す順番が放送内容によって急に変わったり、本番中に都度素材が送られてきたりしても対応がしやすいんですね。

STREAM DECKにショートカットボタンを割り当てて使用するのにも相性が良いです。

 

このRESOLUMEをスイッチャーに透過で出力するには、基本的にキーフィル(元データ)・キーソース(透過度・範囲)を同時に出力できる機器が必要になってきます。

その場合弊社では【PC→Thunderbolt接続→BMD US4Kmini→SDI2本→スイッチャー】という構成が多いです。

 

しかしNDI受けが可能なスイッチャーを使用することによって【PC→LAN接続→スイッチャー】というとてもシンプルな構成にすることができます。

コンパクトスイッチャーという名の通り、システム構成もコンパクトにできるんですね。

 

このRESOLUMEとの接続はHSW10公式動画でも紹介されており、今年のInterBEEのPanasonicブースでも実際に紹介されていました。(RESOLUMEという名は大々的に紹介されていませんが)

 

公式動画ではシンプルな説明のみとなっているため、もう少しだけ詳しく接続方法をご紹介していこうと思います。

 

 

1.RESOLUME PCとHSW10を同一ネットワークに設定

NDIを使用するためには機器を同一ネットワーク上に置く必要があります。

詳しくは省きますが、同じルーターやLANハブに接続している機器は基本的に同一ネットワークになります。

PCのネットワーク設定からIPを確認し、それに合わせてHSW10側のIPを設定します。

HSW10側は手動で設定する必要があります。

 

2.RESOLUME設定

まずRESOLUME側の設定を行います。

上部メニュー「コンポジション」→「設定」を開き、解像度とフレームレートをスイッチャー設定に合わせます(HSW10のシステムフォーマットが29.97であれば30で問題ないです)。デフォルトではフレームレートがAUTOとなり、新規コンポジションを作成するたびにデフォルトに戻るため、ネットワーク接続はできているはずなのにスイッチャーに素材が表示されないなと思ったらまずここを疑ってみてください

コンポジション→設定

 

次に上部メニュー「アウトプット」から、「ネットワークストリーミング(NDI)」のチェックをON

その後「アドバンス」をクリック

 

アドバンス出力設定画面が開くので、右上あたりの「機器」から「NDI」を選択

「Alpha Output」にチェックがついていることも念の為確認。

下部の「保存して閉じる」をクリック。

アドバンス設定

 

3.HSW10設定

次にスイッチャー側の設定です。

HSW10ではNDI/SRT等のネットワークINPUTは6~9が使用できます。

IN6/7はSRT及びNDI HXという企画に対応していますが、RESOLUME側がHX出力には未対応なのでINPUT8をまず設定します。

IN8(IP IN3)を選択

 

「Streaming Mode」を「NDI」に設定

「Scan」を実行します。

ScanはPCのソフトウェアコントロールからは実行できないようです。本体側で操作してください。

 

Scanが実行されると同一ネットワーク内でNDI出力可能な機器が検出されます。

RESOLUMEを使用しているPCを選択してください。

(Composition・Screen1に関しては任意です。RESOLUMEでScreenを出し分ける場合は考慮してください)

Scan実行画面

 

機器選択後、「Alpha Setting」を選択し「Use alpha」を「Enable」にします。

「Type」に表示されているようにIN8がFillとなります。

 


するとIN9が自動で設定されます。もしされていなかったら「Streaming Mode」を「NDI」にしてみてください。「Alpha Setteing」を覗くとわかりますが、これでIN9がSourceとなります。

 

 

問題なく設定ができていれば、このようにRESOLUME側で選択している素材がIN8,9にきていることがわかります。

ソフトウェアコントロール画面 「半透明」というテロップが中段IN8,9に表示

 

 

4.HSW10[本体ボタン]設定

ここからはKEY1 or 2にFillとSourceを割り当てるのですが、本体のボタンで設定します。

ここではKEY1にRESOLUMEテロップを設定することを想定します。

 

左上「KEY1」ボタンを1,2回押し、アンバー色に点灯していることを確認します。

次に「AUX」の列の左から2番目のボタン右上「SHIFT」ボタンを押しながら押下。

※ここで行っているのはKEY1のFillの選択です。左にAMB:Fと記載されているように、KEY1/2ボタンがアンバーに点灯しているときは、AUX列のボタンがFill選択ボタンになります。AUX列ボタンは左からINPUT1~6となりますが、SHIFTを押すことで左から7~9を選択することができます。つまりこの操作で「KEY1のFillにIN8を割り当てた」ということになります。

KEY1がアンバーに点灯 AUX列左から2番目が点灯

 

続いてSource選択です。

「KEY1」ボタンをもう一度押しグリーンに点灯していることを確認しつつ、SHIFTを押しながらAUX列ボタンの左から3番目を押下。

KEY1が緑に点灯 AUX列左から3番目が点灯

以上でKEY1へFill/Source=IN8/IN9が割り当てられました。

正しく選択されていれば本体右側「KEY 1 ON」を押せば…

右側 KEY 1 ON

 

無事、RESOLUMEからの透過テロップが出力されました!

HSW10のPGM画面

 

いかがでしたでしょうか。

 

NDIを受けられるHSW10は配線や機器の省略につながるため、その分機器依存の事故減少にも貢献できるかと思います。

NDIリモートカメラ等を使用することで省人化もできますし、本体自体がコンパクトなので場所も取らず、卓が狭い現場でも頼もしいですね!

 

HSW10をお持ちの方や検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます!

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